怖じない

網戸越し世間に猫の耳目かな

新参猫も早や二歳。

先住の姉妹弟三匹に伍して、というかときにはでかい顔して家の中を闊歩している。
これが窓の外がお気に入りらしく、とくにガラス戸を開けて網戸だけになると朝からずっと外をながめ暮らしている。蝶がくれば目で追い、隣の工事が始まりもの音がすれば聞き耳をたて、興味がつきないようである。
生まれて二か月ほどは野良で生きてきたので外の世界に怖じることもなさそうである。

秋を請ふ

香煙の網戸抜けゆく朝勤行
線香の網戸の風にたかぶりぬ

起床後しばらくの間は網戸でしのぐ。

といっても風があるわけではない。温度計を見れば、室内はすでに30度寸前、湿度も70%もあるから、日が窓にさしかかるともう冷房を入れる毎日だ。
したがって、網戸から香煙が流れる、というのは秋になるまで期待できないかもしれないと思う。
ただ、夕方は久しぶりに風が吹いてちょっとしのぎやすくなったが、それでも冷房は切れないでいる。
網戸全開にして熟睡できる日が早くこないかと祈るばかりである。