同化

みちすがら芥菜つみて人に逢ふ

袋を開けて見せてくれた。

句会場にくる途中で見つけたので、摘んできたという。
連れ合いに先立たれたお一人の食卓にちょうどいいくらいの量である。
夕餉の卓にはぽっと春が灯ったことであろう。
なんでもないことだが、自然と同化した暮らしには安穏がある。