ひとしきり雨の雫や花冷やし
花冷えの雨だった。
はっきりしない天気だったが、明日に延ばせば休日で長谷寺は混んでしまうのをおそれて出かけてみた。
しかし、途中から雨に追いかけられるように降られるし、行く手の雲行きもおかしい。
着いた頃には本降りで、ようやく開いたばかりの花冷やしの雨となってしまった。

本堂の十一面観音さん、本長谷寺、五重塔と順に巡ったあと、二本(ふたもと)の杉があるというので雨で滑りやすくなった石畳の道を注意深く降りてみた。ここはメインの登廊から100メートルほど外れたところにあり、今の山門が完成するまではここら辺りが本堂への登り口であったのかもしれない。
登廊をあがったところに芭蕉や一茶の句碑もあったりして。
他に紀貫之の歌碑「人はいさ 心も知らず 故里は 花ぞ昔の 香ににほひける」、高浜虚子の句碑「花の寺 末寺一念 三千寺」があるらしいのだが、それはまた次回の楽しみにとっておこう。なにしろ花のお寺として次は牡丹が有名なのだから。