血統

無観客ダービーといふ若葉冷

久しぶりに競馬中継を見た。

芝のコースが目に鮮やかな季節だが、当地は曇りでやや肌寒そうで、ダービーのあのスカッとした青空の下というイメージからは遠かったようである。
馬はと言えば、映画やドラマで見慣れている馬に比べ、あまりの足の細さに哀れさえ覚えるのであった。
引退馬がセレモニーを先導する様子も見たが、こちらは見窄らしいほどの脚ではない。
やはり、現役馬は絞り込まれて贅肉というものをとことん削られているのだ。現に競走馬というのは強い馬ほどハンディという錘を着けて走らされるので、体重というのは競走馬にとっては勝負をも支配するものなのだろう。
一着二着とも大本命がきて順当な結果であったのだが、一着はあのディープインパクトの子供と聞いてあらためて血統というものが期待される半端なものではないことを思う。
そのでんで言えば、駄馬に生まれたものは駄馬にしかなりえないという身軽さも悪くないのであるが。