蛍烏賊ヘッドランプの灯も揺れて
大潮の渚満ち来る蛍烏賊
大潮の月なき夜の蛍烏賊
蛍烏賊すくう渚の月もなく
蛍烏賊渚ですくう闇夜かな
蛍烏賊の旬は5月連休までだという。
そのころに深みから浅瀬にやってきて産卵する頃が一番うまい。
これを、魚津などでは一般の人でもタモ網ですくうこともできるそうだ。
浅瀬にやってくるとき、なかには波打ち際にまで身投げしてしまうのがあって、これを網ですくうのである。タイミングとしては大潮の満潮時で、月明かりのないときである。
必ずしも毎回採れるわけではないそうだが、あの蛍烏賊の活きのいいのが自前で採れ、その場で食うことができるというのは、地元ならばこその遊びであろう。
都会では生の活きのいいのを食おうとすると、寿司屋,料亭とか一部の高級料理店に行くしかない。未明に獲った烏賊はストレスのため一日休ませて、翌朝のトラックで空気詰めにして築地などに運ばれる。したがって、今晩食ったものは昨日の朝に浜に上がったものだ。
そういう烏賊は一般家庭ではなかなか手に入らないので、本物の味を楽しむにはやはり現地に行くしかない。