こだくさん

軽鳧の子の夏毛もてども親を追ふ

鄙は三羽だけに減ったようである。

それでも残った子たちは2ヶ月くらいたったろうか、羽根も雛のそれから親の色となってきてちょっと見には見分けが付かないが、密着して親の後を蹤きゆくさまはやはりまだ子供である。
平群川はふだんは水量も多くないが、田植の時期はこれをせき止めてまるで小さなダムのようにして満々とたたえている。この水がはる季節は、カルガモの子育てにもちょうどいいようだ。
このまま親とは一緒に過ごし、兄弟はその後も行動をともにする。カルガモの子育てはよその子には大変厳しいから、なかま同士で次の子育ても助け合わなければならない。だから、兄弟は多い方がいいのである。
せっかく10羽以上生んでも、子育ての下手なお母さんだと次々に子供を亡くしてしまう。そういった子育ての上手い下手というのも子供の頃からの環境に影響されるのは言うまでもない。