古武士然

花辛夷背骨ただして立ちゐたる

緑道が白一色である。

あれは辛夷か木蓮か。
遠くからでは見分けがつかない。
近寄ってみても悲しいかな言い止められない。
運良くちょうどその二本が並ぶところに出た。大きいのとちょっと小振りなのと。一目瞭然である。
通りすがりのグループもそれに気づいたようである。
花はこのようにまるで違う大きさで分かるようにはなったが、木の骨組みとなるとまったく駄目だ。
背筋が一本すっくと立って、まるで古武士の風情であるところも瓜二つである。
思わず猫背をただして相まみれずにはいられないほどである。
それにしても、緑道が明るい。