習熟

鉦叩けふのリズムはちょと違ふ

ふと気がつくと、一定のリズムを刻む虫の声。

カネタタキだ。
今年はわりと早くから鳴いていて、はじめの頃は単調なリズムでテンポも早かったが、今日庭で聞いたのは、リズムに調子があり、しかもゆっくりと大きくはっきりと聞こえるのだった。
季節の成熟とともに、虫の音楽も習熟度を高めるのに違いない。ちょうど春先の鶯の初音がおぼつかなくとも、やがて見事な夏鶯の風格を帯びるように。