語り継ぐということ

どこまでも空煌煌と長崎忌

町の有線から鐘の音が聞こえて黙祷をうながした。

今日は長崎忌。
広島の場合は真っ青に晴れていたと言うが、長崎ではどうだったのであろうか。
あの青い空が白くなるほど光って、一瞬にして何もかもが破壊された。
当時の写真、描画、証言はどれもが貴重な記録遺産そして記憶遺産。
ながく語り継がれねばならない。

合唱曲「千羽鶴」

虹色の鶴は希望を長崎忌

清々しい歌声と、その歌詞に耳を傾けた。

今日の平和記念式典で、乙女らによって歌われた被爆50周年を記念して作られた「千羽鶴」という合唱曲だ。
見たことがあるような制服だったが、これは娘の通った学校の姉妹校の生徒と知って合点がいった。
長崎市では、この日11時2分になると、防災無線放送でこの曲が流れるという。
かれこれ20年以上歌いつがれてきたことになるが、世界平和を願うこの歌の理想からは、きな臭い中東といい、極東といい、現状がますます遠くなっているような気さえする。

町の防災無線は今日もこの時刻乾いた鐘の音を流し黙祷を呼びかけていたが、夕には同じスピーカーから迷子になったご老体の捜索依頼が流れてきた。すぐに「無事保護された」とアナウンスがあって、無事解決したようだった。