繰り返し

葉の落ちて零余子小さきものばかり

大きくても小指の爪くらい。

誰も採ろうとしない零余子が、葉を落として蔓ばかりとなった枝にしがみついている。
ていねいに採れば二人分の零余子飯にはなりそうだが、今どきそんな細かいことをやる人がいないのであろう。芋を採るのが目的だからその実は見向きもされない。こんな状態がしばらく続いている。
やがてこの実が落ちれば再来年ごろには新しい実を落とすかも知れない。毎年毎年そんな繰り返しが続けられているのである。