いつの世も

露の世や憤怒悲しき持国天

憤怒の眼に悲しみを宿しているような像。

持国天さんは白鳳展に出展された當麻寺のものに限らず、東大寺戒壇院ほかどこのものも憤怒の表情が露わである。
邪鬼がいなければあのような激しい憎悪を浮かべることもないだろうに、いつの世も心配事が絶えないということか。
なかでも、人間はいつも愚かなものである。