見晴らしの丘へ馬酔木の鈴揺らし
はじめは馬見丘陵を歩こうと思っていたけど、駐車場がいっぱいで入れないのでやむなく甘樫丘にでも登って眺望を楽しもうということになった。登ると言っても、孤を描くようにゆったりとした道が整備されているうえ、途中鈴をいっぱいつけた馬酔木に囲まれて楽しい道だ。
おまけに紅白の藪椿、樒(しきみ)の白い花など珍しいものに囲まれて、それだけで満ち足りたような思いで、あっというまに見晴らしの丘に到着。二上、葛城、遠くは生駒それぞれに春霞がかかっているがよく見えること。丘の上の桜の蕾の先はほんのり紅がさして、あと1週間ほどで開花だろうか。
降りてきて飛鳥川沿いを歩きながら、「こんなところにカワセミってくるんだよね」と家人に話していたらまさにその時足元から翡翠色の鳥が飛び立つ。すぐに追いかけて久しぶりに美しい鳥に見とれる。去年生まれた雄のようで、まだ若いが、この姿を見ただけで「今日はいい日だ」と心から思えるのだった。