糊口

乾涸らびて枝より細し鵙の贄

冬の季語かとばかり思っていたら、「鵙」の傍題で秋である。

冬には葉が落ちて発見しやすいところからそういう思い違いをしていたのであろう。
ともあれ、小さなばったが叫喚の大口を開けて枝に乾涸らびていたのである。
鵙とてこんな小さな虫をあちこちに刺したとて、冬のあいだの糊口しのぐには頼りないことであると思うが。