遭遇

学童の去にし校庭鶫来る

近づけば視線を背後に置く。

鶫の特性だ。
人間とは一定の距離を保つかのように、近づけばその分遠ざかる。
人が近づけば背中を見せながら、視線だけはこちらに注いでいるようである。
言ってみれば、鶫と人とが「だるまさん転んだ」をしている図である。違うのは追っかけられる方が後方をにらんでいて、追いかける側が近づけばその距離の分だけ逃げるという具合である。
どこかで出遭ったら一度お試しあれ。
秋の季語とは言え、この辺りではいつもなら年があらたまってから、場合によっては冬から春になろうかという頃にみかけることが多いのだが、今年はこんな早くに遭遇するとは思わなかった。北の方で異常がおきているのかな。