ポジションランプ

弾正が最後の山の冬木立

空鉢護法堂のある雄山の頂上に木立のシルエットがくっきり浮かぶ季節となった。

この冬木立が平群谷のどの角度からもはっきり認められる頃は、燃えるような雑木紅葉が終盤を迎え、山が赤茶けいちだんと冬めいてくる時節だ。
信貴山城の跡でもある雄山頂上へは、信貴山寺本堂からさらに700メートルの階段と千本鳥居をくぐり抜ける厳しい道である。
たどりついた護法堂のすぐ下には想像を超えるような規模で信貴山城跡があり、最後まで信長にたてついた弾正が平蜘蛛の釜とともに爆死したと伝わる場所がそこにある。
麓の立野地区は山城の出城として数段の大規模な立野城があったところで、町の目立たないかたすみに弾正の慰霊塔がある。地元では人気の武将でもあったらしい。
夜ともなると、空鉢護法堂のあたりに灯りがともされて、それは盆地の遠くからでもはっきりと見えるほど明るい。
その上空を伊丹方面へ降りてゆく旅客機のひっきりなしに過ぎるポジションランプがきらきらと美しい。千メートルもない低い高度だが着陸なので静かにである。
星も月もいちだんと輝きをます季節となった。

“ポジションランプ” への4件の返信

  1. 日中はコート要らずの小春日和。
    都心の並木はほとんど葉を落としている中、一部のモミジが最後の輝きを放つように赤々と燃えていた。
    今週は気温の高い日が続きそうで有難い。
    やるべきことは山ほどあるが近頃は億劫さが先立つように、まあボチボチ行きますか・・・

    1. しばらく暖かいそうですね。このわずかな期間に冬備えを終わらせなければと思うのですが、腰が重い(笑)
      梅などの剪定、伸びすぎた芝生剪定、プランター片付け等々。

  2. 弾正が最後の山の冬木立

    信貴山は初詣で数度参りました。毎回、参道から人がこぼれるほどの混雑で
    閑散期に、ゆっくり城址跡(頂上)を訪れようと思いつつ、叶わず。因みに、ここの赤鳥居、伏見大社ほど凄くはありませんが、外人客が殺到するように
    なっていますか?
     余談ですが、来年の大河ドラマで、弾正は、「おっさんラブ」の、吉田鋼太郎さんが演じるようです。光秀より、弾正を主人公にした方が面白くなりそう。

    1. 何年か前に登ったときは人はそれほど多くありませんでした。一般の観光ルートから外れているうえ、けっこうきつい坂で往復に時間がとられるし、観光客でここを訪れる人はよほどの好事家くらいでしょう。

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