帯解の子に碧い目の注がるる
正遷宮を終えて諸行事が続く春日社は観光客でごったがやしている。
その間隙を縫うようにして着飾った児の手を引いて、爺婆父母の一族揃って砂利の参道を登ってくる。七五三のお詣りだ。
おとなでさえ、あの長い参道を歩くのは大変なのに、着慣れない着物に慣れないこっぽりではさぞ大変だろう。ようやく階段をあがり拝殿前まできたが、子のご機嫌はななめである。
宥めすかされて、回廊前や砂ずりの藤棚前でようやく記念写真となると、通りかかる参拝客、なかでも外人観光客にとっては大変珍しいのだろう、小さな子の着物姿に歓声をあげている。なかには、おすまししている横顔をスマホで撮ったり、一座の人気者である。
いろいろ声を掛けられてご機嫌が直ったところで拝殿へ。
この日の小さな主役にとっては、ことの進行がおそらく何が何やらよく分からないままの、大変な一日であったに違いない。
春日大社へ七五三詣りですか。それはすばらしい。今はただ大変だった記憶しかない主役も後になって写真をみれば誇らしく思い両親祖父母に感謝することでしょう。
住吉さんの七五三はまたすごいもんです。団体さんという感じで、お祓いも十組、二十組まとめて一緒。東京でもこれだけお詣りする神社と言えば限られるでしょうね。
五歳ともなると記憶にも残りそうです。