留守を守る本尊

如意輪の半跏の足裏秋涼し

盆地より4度ほど低くて涼しかった。

平日ならばの静寂のなかで、室生寺は静かに夏の終わりを迎えていた。
さすがにもう奥の院までたどるのは無理、というかはじめから目指す気持ちが起きないだけだが。せめてあの五重塔まで、いくつかの石段をたどりながら、弥勒堂、金堂、本堂とめぐりながら室生寺の至宝の仏さまを訪ねる。
如来菩薩、十一面観音さんなどいくつかの仏さまは東京へご出陳中とのことで残念だったが、今やご本尊となっている平安時代の如意輪観音さんとはじっくりご対面することができた。
一心に祈ればみなの悩みを聞いてやり、望みを叶えてくださるご利益があるとの説明を聞きながら、近年汚れをきれいに拭い落とされて、写真の像よりはるかに清淨なお姿をしばらく拝ませていただく。
蝉はみんみん蝉のシーズンとなり、ときおりつくつく法師の声が伝わる。
ひとときの室生の初秋の涼しさを満喫する小旅行であった。

“留守を守る本尊” への2件の返信

  1. 忘れてしまうぐらい記憶の彼方になってしまった室生寺。
    思い出すのも容易でないくらい遠のいてしまいました。
    薄暗い参道の記憶はどこだったのか曖昧です。

    さすがの当地もようやく朝晩は秋の気配が漂い始めました。
    西日に耐えられず午後からはエアコンが欠かせずこのまま一直線とはいかないようにも思えますが・・・

    1. 室生大野からせまい山道をことことバスで向かったことを思い出します。あれは高校1年だったか。部活の先生と仲間と。
      あの頃に比べ、道はすっかり整備され、境内もこころもち明るくなったような。とくに五重塔のまわりは倒木を怖れて大きな杉が伐採されて広く感じます。
      昔に比べ、紅葉の木は勢いが衰えたような気も。

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