島左近

登高やまこと小さき平群谷

斑鳩と平群をへだつ矢田丘陵。

山中に分け入って茸採りならぬ菌糸採りに出かけた。発酵促進剤を得ようと言うわけである。
細い道は車一台がやっとの山道で、丘陵南部には椿井城がある。あの島左近の城である。
「三成に過ぎたるもの二つあり。島の左近と佐和山の城。」
三成に三顧の礼をもって軍師として迎えられ、家康暗殺を提言したが是としない三成に却下されたというエピソードをもつ。最後は関ヶ原の戦いで落命。
城跡は車道からそれて徒歩で行かねばならないが、このあたりは山陵の東も西もよく見晴らしがきき、戦略上重要な位置にあるのは間違いない。
ただ、東の盆地に比べれば西の平群谷の狭さは否定できない。
ちなみに平群町のゆるキャラは「左近くん」。兜に槍のきりりと可愛いキャラクターである。
九月九日重陽の日。小高い山に昇って菊酒を飲むという習慣があったそうであるが、菌糸の匂いに酔った一日であった。

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