矜持

捨案山子誰が見んとて見得を切る

とっくに稲刈り、稲架掛けも終わった田に立っている。

妙にリアルっぽい案山子三体がある。
最初のうちこそ色鮮やかな衣装を着ていたが、それも近ごろは色あせが目立ってきてますます貧弱に見えてくる。
田主にしてみれば、目の前にある学校の児童たちに見せたいのであろうが、集団下校で隊列を組んで帰る子供たちには視線さえもらえないでいるのがいよいよ哀れである。
役割を終えたものたちに、引き際という矜持をもたせてやりたいものだ。

“矜持” への4件の返信

  1. 案山子も役割を終えると見向きもされないのですね。
    色褪せてみるも哀れな姿なんでしょうか?
    頑張って稲を守ってくれたはずなのにね~

    1. さすがに11月の案山子はさらし者のように可哀想。役割を終えた案山子には、来年再登場できるよう解体してしっかり小屋にでも休ませてあげればね。

  2. 捨案山子誰が見んとて見得を切る

    最近TVで「熊出没」のニュースが盛んに報道されていますが、案山子で予防するって話を聞いたことがないですね。モノによっては結構不気味だし、熊が触ったら音やスプレーを出すよう細工しておけば、スゴスゴお山に引き返すんじゃないかと思うですが。正直な所、少々の人的被害が出ても、熊ちゃんエエカゲンにしときや、と思う程で、全然熊が悪漢に見えません。

    1. 実際に被害が身近に感じてない者にとっては熊の駆除とは何と人間の勝手かと思いますが、当の地域に住む人にとっては切実な恐怖なのでしょう。SNSで炎上しがちになる難しい問題ですが、基本は自然にもたらした人間の勝手から生まれたものです。
      温暖化は地球の危機ではなく、ダイレクトに人類の危機につながり、その序章がすでに始まっているわけです。

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