ねずみ返しものともせずに葛かづら
葛嵐といっていい天気。
これが秋ならいくぶん涼しいのだろうが、なにせ梅雨明け同然の天気が続くのでかえって暑苦しさがますばかり。
国道を走るとかしこに葛がはびこって、フェンスはもちろん、河原、空き地、いたるところに進出して、秋になる前にこれを刈るのもさぞ大変だろう。
古人は衣服の繊維に、食料に、薬草に、おおいに利用したのだが、現代では嫌われ者のひとつとなってしまった。
人口減による放棄地、空き地が増えるいっぽうで、葛はますます勢いをましいずれ人の手も及ばぬ葛が原が全国のあちこちに広がりそうだ。そうなるとあとは森林化に向けて一直線。五十年、百年先のこの国の風景はまったく異なったものになるにちがいない。
ねずみ返しものともせずに葛かづら
ん? 句意が読み取れないので(よくあるんですが)、「ねずみ返し」と「葛かづら」をwikiに入れると、なんと!!「電柱では、つる植物の繁殖で停電が発生するので、ねずみ返し状のカバーが装着される例がある。」と、茶碗を逆さまにした傘状の写真も貼付されていました。ほだかさんの物知りに脱帽。
葛の生命力は驚くほどです。あの太い蔓は怖いもの知らず。どこでも、どこへでも、誰にでも絡みついていきますからね。
ねずみ返しは本来倉庫などの基礎となる柱に取り付ける物で、太古から大事な食料などを守ってきました。電柱の支柱に取り付けられたお椀状のものは、どちらかというと蛇除けなんですね。感電したときの事故防止だそうです。