甲賀路

猪垣の崩れしは田の放棄らし

澤口先生の個展の帰途は思い立って鈴鹿峠越えの道を選んだ。

R307で甲賀・水口経由信楽へ出てR422で伊賀へ廻る算段だ。
険峻で鳴らした天下の峠も今では道幅も広く、あっけなく「あいの土山」へ。道の駅で昼食をとろうにも市民マラソン大会のあおりで満車状態。仕方がないのでひたすら信楽をめざす。途中「紫香楽宮跡」という標識があったので車を停めてみたがそれらしきものがさっぱり見つからない。信楽焼店舗を兼ねるうどん屋でようやく「松茸うどん」にありつけた。久しぶりに松茸の歯ごたえを堪能して再びR307に戻る。
R422に入るとやがて伊賀への山道になるが谷戸という谷戸の周囲が低い猪垣に囲まれている。ここらあたりは昔から猪垣が多かったとみえて次のような句がある。

猪垣が見え四五戸見え奥近江 久米幸叢

“甲賀路” への8件の返信

  1. 「猪垣」初耳で見たこともありません。
    田舎では猪が頻繁に出るのですがこういったものは見かけないですね。

    今日澤口先生の個展に桑名の友人と出かけました。
    どうもほだかさんとはニアミスのようでした。
    私たちはランチを済ませておまけに道路を間違えるしで思いのほか時間がかかってしまいました。
    友人は5年間ぐらいバルセロナに済んだことがあり、先生の絵をとても気に入りスペインの田舎の風景を懐かしがっておりました。
    最終日、間にあってよかったです。

    1. 鈴鹿峠を越えたあたりの谷戸にも猪垣が張られているのが見えます。高さ僅か50センチほどなのですぐに猪除けの柵だということがわかります。猿や鹿だったら軽く超えてしまいますからね。簡単な作りですが猪には十分な効果があるのでしょう。

      先生の個展にはお昼前にうかがったのですれ違いでしたね。1号線に戻ったらすぐに関宿で歩いてみたかったのですが、ここも道の駅が大混雑で車を停められないのであきらめました。11月初の日曜日だからイベントだらけでどこも人だらけ。

  2. 「猪垣」という季語もあるんですね。 ある地域ではおそらく今でも使われている言葉なんでしょうが、初耳です。テレビで猪の害についてはいろいろ報道していますが、こういう言葉もアナウンサーたちは使ってほしいですね。そうすれば言葉は一般に残ると思います。
     俳句の世界だけに残る日本の遺産みたいな言葉、いっぱいあるんでしょうね。

    1. 歳時記だけに残る言葉が増えるのは世の習いだから仕方がないとしても、それらを分かったり、イメージできる世代、層自体が消滅しないよう引き継がなくちゃね。今回の「猪垣」も実際にこの目で見て、歳時記の中から引き出したものです。

  3. いい休日ドライブでしたね。とくに松茸うどんなんて贅沢の極みですね。食べてみたいね。
    こちらではとても食せないものですね。
    当方は母親の施設での行事があって、朝4時過ぎに起きて、始発の新幹線で広島に出かけ日帰りで自宅着が午後10時半のハードシュケジュールでした。今回は宮島口近くのホテルで昼食とお買いものでした。久しぶりに母親と一緒に昼食を食べましたが、歯が悪く、固いものが食せないので、極力柔らかいものを選んで食べている状況です。入れ歯をいくつか使用しているのですが、歯ぐきとの相性が今一つで、痛いからと使用しないため、いつまで経っても馴染まず困っています。
    広島市内の街路樹の欅や桜がきれいに紅葉していて見事でした。欅があんなにもきれいに紅葉したのを見たのは初めてです。神奈川あたりでは欅は黄色くなったらすぐ枯れ色になり散ってしまいます。広島は神奈川に比べて気温が低いのかな?

    1. そういえば新幹線など乗ったとき良くみて欲しいんですが、赤松林がずーっと続きますね。近江は松茸の産地かもしれないね。

      西日本の夏は暑かったのだけど、その後の天気が良かったのかもね。町田では旧住まいの街は欅が大きく茂って毎年きれいでしたよ。

  4. 猪垣って初めて知りました。伝統の暮らしの工夫なんですね。しかも季語になっている、深いですね。

    忍者の里はホント山深い、芭蕉忍者説というのもあったか、なかったか。

    1. 日本庭園に見られる「鹿威し」。あれも音で驚かす一種の猪垣のようです。自宅に帰ってさっそく「猪除け」みたいな季語はないかなと歳時記をめくったらビンゴでした。収穫の時期の季語なんですね。

      意外に伊賀と甲賀というのは近いですよ。しかも山もそれほど高くない。きっと何らかの交流が行われていたに違いないと思います。

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