甲賀路

猪垣の崩れしは田の放棄らし

澤口先生の個展の帰途は思い立って鈴鹿峠越えの道を選んだ。

R307で甲賀・水口経由信楽へ出てR422で伊賀へ廻る算段だ。
険峻で鳴らした天下の峠も今では道幅も広く、あっけなく「あいの土山」へ。道の駅で昼食をとろうにも市民マラソン大会のあおりで満車状態。仕方がないのでひたすら信楽をめざす。途中「紫香楽宮跡」という標識があったので車を停めてみたがそれらしきものがさっぱり見つからない。信楽焼店舗を兼ねるうどん屋でようやく「松茸うどん」にありつけた。久しぶりに松茸の歯ごたえを堪能して再びR307に戻る。
R422に入るとやがて伊賀への山道になるが谷戸という谷戸の周囲が低い猪垣に囲まれている。ここらあたりは昔から猪垣が多かったとみえて次のような句がある。

猪垣が見え四五戸見え奥近江 久米幸叢