奈良三銘椿

実のひとつ二つばかりに名の椿

樹齢四百年とされる白毫寺の「五色椿」。

天然記念物にも指定されている木は高さおよそ5メートル、樹冠も約5メートルで柵で保護されている。
花の時期は桜より幾分早い3月下旬からで、いろいろな色の八重咲きを見せてくれるところからの命名だ。
東大寺開山堂「糊こぼし」、伝香寺「散り椿」と並び奈良三銘椿の一つとされているそうである。

晩秋の境内にはいろいろな鳥がひっきりなしに訪れてくれるが、この椿にも寄ってくれて花のない時期を賑やかにしてくれる。また、椿には秋に実から油を採ることから季題になっているので、その実がついてないかどうか確かめたところ、わずか一つ二つばかりが枝の間から見えている。古い木だけに負担がかからないように枝や葉数も抑え、花の数も抑えているようだ。だからか、すっきりした樹形で奥の方まで見透かすことができるようになっており、もう他には実は見当たらないようだった。

根元の苔には小春と言える柔らかい日差しが届いていた。

“奈良三銘椿” への2件の返信

  1. へぇ~っ、椿にも樹齢400年なんてのがあるのですか。それはすごい。古刹には古木が似合いますね。

    今からは山茶花の季節ですね。大分咲き始めています。

    1. 関西花の寺札所十八番というだけあって、萩と並んでなかなかのものです。
      季節もいいし、句材もたっぷり。ここで詠めなきゃどうするんだと叱られそうです。
      関東でも深大寺とか植物園とか、表参道の銀杏など今が一番いいときなんでしょうね。
      皆さんで吟行をお楽しみください。

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