見慣れたる景の一変大黃葉
平群谷の雑木紅葉が今年はいつになく素晴らしい。
平群谷とは、南アルプスと日本アルプスにはさまれ天竜川流域を伊那谷と呼ぶように、生駒山地と矢田丘陵にはさまれた竜田川(実体は平群川と言ったほうが似合う)流域を筆者が勝手に名づけたものだ。
生駒へ用があって車で走らせたとき、左右の山があまりに見事な黃葉だったので、帰途は生駒山地の中腹を貫いているフラワーロードと呼ばれる農道へ遠回りしてもっと間近に見てみることにした。
生駒山地の稜線を見上げるようにして走るドライブは、まるで信州かどこかの山の中を行くような感覚だ。家から10分と行かない場所にこんなにスケールの大きい黄葉の景観が楽しめるとは。
このなまめかしい雑木黄葉はいわゆる冬紅葉ではない。雑木の黄葉とは今が盛りのようである。
そんな身近なところで黄葉が見られるなんて素敵じゃないですか。
もう10年以上も前になるでしょうか。
信州の高原へ行く途中林道のカラマツの黄葉は息をのむ美しさでした。
思わずゴッホの世界だ!!と歓喜の声をあげてしまいました。
信州の友人に言わせると落葉松の葉の落ちるさまは雨の降る音がすると言います。
からまつの林を過ぎて からまつをしみじみと見き からまつはさびしかりけり たび ゆくはさびしかりけり(白秋)
大好きです。
もう一度カラマツの林をみたいものです。
皇居でも昨日から乾通りが一般公開され紅葉が見ごろとのこと。錦の皇居も見応えあるでしょうね。
今から杉原千畝を見に行ってきます。
浅間から佐久平にかけて。
文人たちの里ですね。
牧水、堀辰雄、藤村。
感性に訴える土地でもあるんでしょう。
都会の紅葉もなかなかいいものです。京都の人の多さには辟易しますが、休日の東京は静かに楽しめていいですね。