波打ち際

サーファーの沖見るばかり桜貝

同じ桜でも貝の方だ。

さらに、桜貝といってもいろいろ種類があるらしい。やや茶がかかったカバザクラ、紅色のベニガイなど。でも、桜貝と言えば誰でも思い浮かべるのは、2センチあるかどうかくらいの大きさで、文字通り桜色している。しかも透けて見えるほど薄いので、いかにもはかなげで、かつファンタジーである。
貝を耳に当てると海の声がするというが、この貝は耳に当てるには小さすぎる。

海岸に着いたサーファーは、波の具合が気にかかって沖をみるばかりで、足許には注意を払おうとしない。波打ち際を歩いてみれば短時間のうちに桜貝の貝殻をいくつも拾えるというのに。

“波打ち際” への2件の返信

  1. 桜貝と言えば「桜貝の歌」の美しい歌を思い出します。
    美しく詠もうと思えばつい言葉を飾りたくなる。
    この句はサーファーの波のダイナミックさと桜貝の儚さが対照的で素敵です。

    今日はちょっと嬉しい出来事が。
    先月の投句コンサートの際に応募した句が入賞したとの通知がありコンサートチケットがプレゼントされました。
    詳しくはtop page宗次ホールの新着情報を御覧ください。

  2. チケットゲットおめでとうございます。さすがです。

    桜貝は思い出の句が多く、なかなか類想の域を脱することが難しい季題です。よく見ると足許に転がっているのだけど、波に関心が奪われて気づかない人たちというイメージなんですが、まだ言い切れてませんね。

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