流氷や北方諸島しらじらと
目の前にある外国。
それを距つ海に、外国から流れてきた氷が覆う。
一衣帯水というが、この氷を渡っていけば外つ国に至るのも不可能ではなかろうか。
そんなことすら想像してしまう光景が顔面に広がっている。
観光客には嬉しい光景だが、港が閉じこめられるなど現地に住む人たちにはどういう風に映るのだろうか。
「流氷」は春先にもっとも多く見られることから春の季語とされる。
この流氷が沖へ引くように流れ、「海明け」を迎えるとオホーッツク沿岸に春が到来する。
ある北海道出身作家が同名の「海明け」という小説をものにしているが、この作家は若い頃騙されて樺太に売られ、そこの缶詰工場で働かされるジャコビニという経験を持っている。
たしか、その小説もまた、暗く陰鬱とした世俗から解放されるその象徴として「流氷」を描いたのだった。
引っ越しの時ほとんどの本を捨てたが、この作家のものは全部残して手許にある。ひさしぶりに紐解いてみようかと思う。
流氷は春の季語ですか。
網走へ流氷を見に行ったのはもうかれこれ二十数年以上も前になるでしょうか?
初めて目にする流氷群、果てしなく水平線のどこまでも凍りついた海の壮観さ。
確かにこの流氷を飛び石のように超えていけば外つ国へ・・・と思ってしまうような光景ですね。
その中を砕氷船が氷を軋ませて進んでいく。
この氷の塊はロシアのアムール川からくるとか聞いたような・・・
流氷の下には氷の妖精と呼ばれるクリオネが住むと聞いてこれまたびっくり。
ご覧になったことがあるんですね。
ある秋訪れた道東で国後があまりにも近かったのを思い出して、今頃の真っ白な島影を想像して作ってみました。
接岸のニュースはだいたい二月頃ですね。春と言っても北海道は雪祭りの真っ最中。真冬ですね。
流氷のことを思い出していたら偶然にも今日の映画「北の桜守」で流氷の映像を見ることができました。
舞台は北の果て稚内、網走、紋別そして札幌。
滝田洋二郎監督、吉永小百合120本目の映画出演にふさわしい作品でした。
(間違えて飛鳥川にコメントしてしまいましたので消去お願いします)