急坂の上千本

忠信が忠義の坂も花名所

天気図と相談して吉野山へ行ってきました。

期待通り、最高の眺めです。

上千本・花矢倉展望台から。
遠くに金剛・葛城山が望めます。

最初、麓の吉野駅からバスを乗り継いで奥千本に着いたのですが、まだ開花してません。
そこで西行庵はあきらめ、上~中千本まで徒歩で降りてみることにしました。
西行庵へは秋の紅葉時にでもチャレンジしようと思います。
ところで、その西行庵、本当に奥深いところにあるんです。奥千本のバス停から仰ぎ見たわけですが、吉野山でも一番高い辺りにあるのではないでしょうか。その先はもう空しか見えません。
食料調達の必要もあって最低限の麓との行き来があったでしょうが、それ自体行ですね。
さすが、奥駆け修行の本場です。

中千本でいただいた葛切りは汗をかいた後だけに、喉ごしひんやり。

これを句に詠もうと思ったのですが、葛の季語は夏なんですね。
吉野山ですら今日の天気は初夏といっていいくらいの暑さなんですが、ちょっとね。
桜の塩漬けが甘いシロップとハーモニーして疲れた身体に活を入れてくれました。

“急坂の上千本” への6件の返信

  1. ここ数日、誠に良いお日和でございます。
    昨日、今日の朝刊トップ写真は琵琶湖岸、海津大崎の桜、岐阜根尾の薄墨桜。
    全国津々浦々、今年はたっぷり長く花を楽しませてくれました。
    桜よ、ありがとうの気持ちです。

    吉野山、行かれましたか。
    奈良に住んで吉野をへ行かずば何とやらですものね。

    山全体がピンクに染まるのはここより他に、無いでしょう。
    本場の吉野葛、美味しいですよね、歯ごたえがありのど越しが良くって。

    奥千本までは行ってなくて「西行庵」があるとは知らなかったです。
         願わくば 花の下にて春死なむ その如月の 望月の頃
    西行の歌、頷けますね。

         さまざまなこと おもひ出す 桜哉 (芭蕉)
    今年は本当にこの句を、しみじみと味わっております。

    1. 今日の奈良は暑かったです。一気に衣替えが進みました。

      奈良の桜名所は吉野山をのぞいてどれも散ったようです。
      地元の信貴山、郡山城などはまた来年の楽しみです。

  2. 吉野山、行ってきましたね。奈良に来て最初でしょうか。
    写真の眺めも素晴らしく、読ませてもらって嬉しい気持ちになります。
    どうぞ持統帝じゃないけど30回はリピートして下さいよ。

    skyblueさんのコメントもそうですが、吉野というと古典がいっぱい出てきますもんね。と言ってもボクは吉野のことは余り詳しくなく、「万葉の旅」の吉野のところと、西行のことちょっと読み返しました。芭蕉もゆかり深いことは初めて知りました。

    1.西行と芭蕉:
      ①吉野(よしの)にて:
        西行: とくとくと落つる岩間の苔清水汲みほすほどもなく住居かな
        芭蕉: 露とくとく心みに浮世すすがばや(野ざらし紀行)

      ②芦野(あしの)にて:(吉野とは全く関係ないけど)
        西行: 道のべに清水流るる柳かげしばしとてこそ立ちどまりつれ
        芭蕉: 田一枚植ゑて立ち去る柳かな(奥の細道)

    2.佐藤忠信と芭蕉
        福島市飯塚にて: 笈も太刀も五月にかざれ帋幟(奥の細道)

    因みに源氏物語に吉野(吉野山)は出てきません。吉野の桜を詠み始めたのは西行だろうとのことですね。じゃあ。。

    1. 歴史的には他に義経にまつわる悲話、後醍醐天皇の御陵があったりです。
      護良親王が司令塔として拠ったとされる砦跡が展望台になってますが、奥千本入口から下ったところにあり、そこから急坂を上りますがきついのなんのって。その分見晴らしは素晴らしく、眼下の谷が吉野一帯、その向こうにそびえる山並みが飛鳥の後背という具合で、あの高見山も東の方にくっきりと見えました。芭蕉は「笈の小文」で飛鳥から後背地の峠を越えて吉野入りしてます。

      雲雀より 空にやすらふ 峠哉

      1. 「雲雀より空にやすらふ峠哉」、、、いいなあ。。
        この句、吉野に向かうところでしたか。「笈の小文」は妖しの同行者杜国との二人旅ですが、吉野~奈良にばっちり行ってるのですね。やはり歴史的場所を訪ねるというとそうなるんでしょうね。
        嵐山光三郎の「芭蕉紀行」のこの部分読み直しました。この句のことは出てませんでした。載せるべきだろうにねぇ。。

        1. 越えたといわれる峠の標高は500くらいになります。里の雲雀の声を聞きながら登ってきて、峠では前に吉野山、大峰山系の展望が開けるわけですから、単に高さを言うだけなくて、そういったスケールをも含めて理解するとこの句の味わいも広がるような気がします。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください