雲湧いて墨絵めく山花灯し
平群を囲む山には雨後の雨がわいてまるで墨絵のようである。
そういうモノクロの世界に淡いピンクのアクセントをつけているのが桜である。
すぐ真下で花を見上げるのもいいが、こうして遠くからまるで絵画を眺めるようにして楽しむのもまたよきかなである。
ところで、町には至る所に染井吉野があるが、よく見るとそれぞれ微妙に咲き具合が違うようである。早いところでは三分咲きくらいまで進んでいるかと思えば、まだ開花したばかりというものまで、意外にバラツキがあるのである。特徴的には川沿いの桜がそうじて遅いようだ。
この雨があがり晴れ間が出てくればまた別の絵が眺められるかと思うとわくわくしてくる。