流れる川は凍らない

大淀の湾処吹かるる薄氷

通常は「うすらい」と読む。

掲句は下に置いたので、「いすごおり」と読むことになるが。
寒が明けると氷がやせて薄くなったり、氷が張っても寒にくらべて薄くしか張らなくなる。その風情を言うわけだが、取りかかってみると意外に難しい題である。
なまじ取り合わせで詠もうにも、なかなかしっくりくるものが浮かばない。かと言って、一物仕立てというのも腰をすえた写生なくてはとても適いそうもないし。

“流れる川は凍らない” への6件の返信

  1. 薄氷、「うすらい」「いすごおり」ですか。これぞ微妙な「やまとことば」なんでしょうね。thin iceじゃそのニュアンスが伝わりません。「うすらい」と読んで歳時記の風情が醸し出されるのだと思います。立春を過ぎて風もやや温みを持ってきた感じですね。

    1. 歴史的仮名遣いでかけば「うすらひ」、つまり「薄ら氷」で元の音は「ひ」なんですね。熟語で使われる場合は「ひょう」が多いのですが、氷室、氷頭、氷見などは「ひ」ですね。「氷面鏡」は冬の季語で「ひもかがみ」。凍った池などを鏡に見立てる言葉です。「氷面」だけなら「ひょうめん」と読ませるのに、言葉の生い立ちの違いなどがあらわれて興味深いことです。

      今朝は薄氷どころか、外の水道も少し凍りつきました。今冬2回目です。おそらく零下3,4度だったのではないかと思います。放射冷却でしょう。快晴。関西最高峰・八経ヶ岳が家の正面にくっきり見えます。日ざしの強さは冬とは違いますね。

  2. 当地も冷えました。
       御嶽や逆さ扇の雪衣

    今年は薄氷さえ一度も見ません。
    「氷面鏡」初めて知りました。何て素敵な言葉でしょう。
    大和言の葉、俳句の世界では滅びていないのですね。
       

    1. テレビの気象情報を見てますと、名古屋も厳しい寒さが続きましたね。なのに氷が張らないとは不思議ですね。

      御嶽の冬の姿は遠目にも素晴らしい姿ですよね。
      今日は撮りだめておいた「なごや飯」(新日本紀行)を見ました。あらためて、味噌の味を見直しましたよ。

  3. 本日は梅田のグランフロント大阪で「信州の魅力」という講演会があって、信州から来阪した後輩の講師の話では、御嶽さんがそれはみごとに望まれましたとのこと。寝覚ノ床越えに顔をのぞかせる姿は中央線からの楽しみの一つです。

    今年は7年に一度の御柱祭が4月に催されるとのこと。諏訪がまたまた脚光を浴びそうです。真澄、高天等銘酒処。そぞろ旅ごころを掻き立てられた一日でした。

    1. あの昂ぶった祭が今年ですか。夏の季語になってますね。ホトトギスにはありませんが、傍題に「木落し」。あのままですね。
      諏訪と言えば、もうひとつ。塩羊羹も忘れちゃだめですよ。

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