冷涼とまで

とうすみの灯りにうかむ夜の底

夜の庭に、はかなげに蜻蛉がゆらめいている。

「とうすみ」とは「とうすみとんぼ」のことで、行灯のひも状の芯(とうすみ)に似ているので、灯心蜻蛉(とうしんとんぼ)とも呼ばれる。いわゆる、「いととんぼ」のことである。
夏の季語であるが、どちらかというと晩夏、初秋のイメージが強い。
急に寒いほどの夜、高くは飛べず地の底を這うような感じで、灯りに吸い寄せられるようにふらふらとやってきたようだった。
先日の吉野の句会場では、精霊蜻蛉が群れ飛んでいたし、空気は完全に秋だ。

“冷涼とまで” への3件の返信

  1. なるほどね、トンボの連想ゲームのようです。

    湿度17%の爽やかな一日、今朝グレートトラバースの陽希さんは朝一番に名古屋城を見物しR41号を北上、犬山城から岐阜に入りました。
    お盆休みを日本300名山が一つもない愛知県でゆっくり過ごされたようです。
    滋賀県で右手を骨折したようですが今後の無事安全を祈りました。

    数日この陽気が続くようですから夏の疲労を回復させたいですね。

  2. とうすみの灯りにうかむ夜の底

    これはまた 早々と 秋どっぷりの句ですね。
    浅学の小生、「とうすみ」って何かよく分からず、「唐墨(からすみ)」の
    別称で、”秋の夜長、誰かに文を認めている墨面に 
      ぼんやりと灯りが映っている”のかなぁと 思いましたが、
    そうですか、糸トンボですか。
    そうなると、「夜にトンボ」と言う、アンマッチングさが
    気になって・・・・・。

    1. そうなんですよ。
      夏の季語なのに、「夜の灯り」「灯心」で秋を連想させたかったのですが。
      もう季節は秋に入り、消え入りそうな灯心蜻蛉。そんなあはれを詠みたかったというわけです。
      実際に目にした光景なので、推敲してものにしたいとは思います。

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