薬味の香

冷奴あぶりの山の水甘く

昼の温泉を浴びての豆腐づくし料理。

なかでも、湯上がりの火照りの残る体には冷や奴がしみ通る。
大峯の洞川温泉は名水で知られるが、名水あれば豆腐あり。
関東では雨降(あぶり)山の大山の豆腐が知られていようか。急な階段のつづく参道の両脇に、豆腐料理をくわせる店が軒を連ねている。大山詣りと称して江戸の男たちは遊山に繰り出し、帰途は江ノ島に立ち寄りお楽しみであった。
昔から有名なところの豆腐はみなしっかりした食感である。箸でさっくり割って口に運べば薬味の香りも加わって爽快感で満たされる。げに夏の食物である。

“薬味の香” への2件の返信

  1. 最近の豆腐は腰がないですね。
    木綿豆腐でも柔らかでソフトな感じ、どこかで石豆腐なんて聞いたことがあったけどどこだったっけな~  縄で縛ってあったような・・・

    1. 徳島の祖谷とか白川郷とか、原料の大豆が貴重なタンパク源、食料の地域に見られますね。
      南の縞では海の潮を汲んで固い豆腐を作るところもあったような。

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