レッドピース

冷奴喉の歓喜の候となり

冷や奴に新玉葱のスライスをぶっかける。

そのうえに花鰹がのって。
ささやかながら初夏の食卓の清涼剤である。昼間の暑さで衰えがちな食欲を奮い立たせてくれる。
ご飯は珍しい赤えんどう豆のご飯。蜜豆の、あの豆である。市場には出回ることもなく、種すら簡単には手に入らないが、今回はその来年用の種の分まで頂くことになった。同じ畑で毎年育てておられるが、そのせいか発芽がすこぶるいいそうで、また育ちやすいとも。
来年はグリーンピース、そしてレッドピースの豆ご飯を堪能できそうである。

こわごわと

冷奴ごときに疼く臼歯かな

3ヶ月ごとの歯の検診。

3月に受けたころから冷たいものが沁みるようになった。
最近は噛むと痛いことも。
次回は6月。それまで待てるか。
この季節冷たい喉ごしはいいが、冷え切った麦茶もこわごわ飲んでいる。

薬味の香

冷奴あぶりの山の水甘く

昼の温泉を浴びての豆腐づくし料理。

なかでも、湯上がりの火照りの残る体には冷や奴がしみ通る。
大峯の洞川温泉は名水で知られるが、名水あれば豆腐あり。
関東では雨降(あぶり)山の大山の豆腐が知られていようか。急な階段のつづく参道の両脇に、豆腐料理をくわせる店が軒を連ねている。大山詣りと称して江戸の男たちは遊山に繰り出し、帰途は江ノ島に立ち寄りお楽しみであった。
昔から有名なところの豆腐はみなしっかりした食感である。箸でさっくり割って口に運べば薬味の香りも加わって爽快感で満たされる。げに夏の食物である。

素麺so on.

朝食べてすぐ昼が来て冷奴

家にいる癖がつくと一日が早い。

さっき朝を食べたばかりなのにすぐ昼飯とは、さすがに腹が空かない。
メニューを考える家人は大変だと思うが、これが夕飯ともなるともっと食欲が落ちて多くは食べられなくなる。
どうしても、冷たいもの、そう素麺とか冷や奴とか注文したくなる。