四面クマ

落蝉のつまめばぶると一度きり

この朝舗道に蝉が腹を見せて転がっていた。

そのままでは灼熱のコンクリートに焼かれて塵となるのも可哀想と思い、拾おうとしたらぶるっと一度だけ震えた。最後の力をふりしぼって抵抗したのだろう。そのまま手にのせて近くの茂みにそっと横たえてやった。鳥がめざとく見つけて持って行くかもしれないが、できれば五体が無事に土に還ることを願って。
今日も朝から顔の高さにも四面熊蝉だらけである。
この落ち蝉が今年初めて見る油蝉であったことになぜかほっとした。

“四面クマ” への2件の返信

  1. 死んでると思って拾い上げたセミが生きてたってことはよくありますね。
    あの憎らしいゴキブリと違って死んだふりをしているのではなく本当に弱っているんでしょうね。
    なぜかそんなセミには哀れを感じますよね。

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