土間を吹き抜ける風

床几台土間に列ねて夏座敷

庫裡の間に床几台おき夏座敷

小子坊とは僧房の一つで、大坊が僧侶が居住するのにたいし小子坊はその従者が居住していた。大寺院にみられる僧房形式だという。

元興寺・小子坊の土間

元興寺・小子坊の庫裡の土間には、夏座布団をのせた床几台が置かれ小休止できるようになっている。土間の南北が開け放たれているので心地よい風が吹きぬけるうえ、ここに腰掛けて庭の方を眺めると新緑の光が目にまぶしく、まるで夏座敷といった風情をかもしだす。

“土間を吹き抜ける風” への5件の返信

  1. 都会では夏座敷といった光景はよほど旧家でないと見られません。
    田舎の友人の家では田の字型の部屋の襖や仕切り戸をすべて取り払って夏仕様に模様替えします。
    南北を吹き抜ける風、式台の向こうには土間がありとても趣のある設えです。
    訪問するとその居心地の良さについ長居をしてしまいます。
    このような贅沢は都会では望むべくもなくいつもうらやましく思っています。

    1. 京都の町家などもいろいろ工夫して涼しさを演出しますね。都会の家でも茣蓙など敷けばインスタントな夏座敷ができあがり。エアコンや扇風機を使わなくとも、風の通り道ができればそれはそれで夏座敷でしょう。

      1. そうですね、物は考えよう。
        久しぶりにリビングに置き畳でも敷いてみましょうか。
        にわか夏座敷風にね・・・

  2. 夏座敷ですか、いかにも僧坊らしいですね。

    日本の家屋は夏の暑と湿をいかに防ぐかを第一として工夫されたと聞いています。でも夏は大変だった。少しでも涼しいところに行くとホッとする。芭蕉の二句を思い出しました。
      
     山も庭に動きいるるや夏座敷  @黒羽(奥の細道には載せられていない)
     涼しさをわが宿にしてねまる也  @尾花沢(奥の細道) 

    これから湿、そして暑へと向かいますね。元気にいきましょう。

    1. そう言えば、吉田兼好の言葉を思い出しました。
      「家の作りやうは、夏を旨とすべし。冬は、いかなる所にも住まる。暑き比(ころ)わろき住居は、堪え難き事なり」
      西日が射したり、風が通らない、などは耐えがたいほどひどい家だというわけですね。せいぜい窓を開け放ち自然の風を呼び込んで夏を乗り切りましょう。

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