奥津城

救急車よぶに半刻余花の郷

鰻を食いに津まで。

高速道路で往復するだけでは能がない。新緑の時期でもあり、一度は通らなければと思っていた伊勢本街道経由でだ。
これが大正解。目にしみる新緑とはまさにこういうときを言うのか。
とくに、ちょっと寄り道した北畠神社に隣接する「北畠氏館跡庭園」はいかにも武家の庭らしく剛健そのもの。池をめぐらせてその護岸の石組みといい、庭園の石群がバランスよく配され、それら石群らの上には楓などの新緑が影を落としていて全体が緑がかってみえる。

枯山水といへど若葉明りせる
若葉して武士どもの館跡

伊勢本街道とはここで別れて、かつての名松線沿いの道路に戻ろうとしたら、県境の方から来たのであろう津ナンバーの救急車が来て、その後方を伴走する形となった。ところが、行けども行けども救急車は目的地に着かないらしい。とうとう旧久居警察署まで一緒することになった。その間約30分ほどだろうか。
おそらく旧久居市内の病院に向かったのであろうが、呼んでから迎えに来るまで30分として、異常があってから救急病院にたどりつくまで往復に最低1時間以上もかかる計算になる。平成の大合併もいいが、過疎地医療の深刻さというのは解決するどころか、さらに悪化しているのではないかとさえ思えてくるのだった。

疑はぬ廃線復活落花掃く
廃線の鉄路かげろふ奥伊勢路
廃線を糾ふ道の余花しげし

“奥津城” への10件の返信

  1.  北畠氏の庭園、いいですよね。
     数十年前に一度行ったことがあります。長閑そうな地域ですが、急病の時には困りますね。救える命が救えないのは不幸です。昔なら寿命と諦められたでしょうが、医療の発達した現代ではねえ・・・

    1. 三重にいながら奥津や、白山町方面は行ったことがなかったので新鮮でした。奈良の御杖も相当奥地ですが、そこを通って奥津へというのは道路が整備されているからいいものの、秘境といっていいくらいでしたね。場所による診療格差というのは相当深刻だと思いました。

  2. 鰻を食べに津までのドライブですか。贅沢なドライブですね。
    鰻はすっかり高級食材になってしまって、最近はあまり食べる機会がなくなってしまいました。
    当方は、昨日は鎌倉の建長寺の境内の施設で合唱の合宿です。
    7月に行われるお母さんと子供の合唱団に賛助出演して、オケと一緒にヘンデルのメサイアを歌うのですが、ハレルヤコーラス以外は初めてで、結構音も高く、アップテンポで大変そうです。
    昨日は上天気で、北鎌倉を降りたとたん、ウグイスの声が聞こえ、新緑とともに最高の散策びよりでしたね。
    建長寺の境内では、いろんな色の牡丹の花が咲き誇り、さかんにカメラで撮影する人も多く見受けられました。
    夕方4時頃に練習が終わり、建長寺から北鎌倉まで戻る途中の道路は車が大渋滞で、歩いた方が早い位でした。

    1. この時期の鎌倉に車で行くのは無謀というものでしょうね。八幡宮あたりまでは身動きができないんじゃないでしょうか。
      アルバイトで貴君と鎌倉、藤沢方面へ行ったときのことを思い出します。あれは真夏でしたね。同じように大渋滞でした。

  3. 今、まさに表紙写真のように山々は新緑に覆われ目が洗われるようです。
    椎の木はこんもりとアクセントに、竹の秋、様々な雑木のオンパレードで山笑う。

    昨日、八か月ぶりに施設から外出許可を貰って母を実家へ連れて帰りました。
    (家を忘れたと言うのです)
    開口一番が山を愛でる言葉でした。
    出来れば母のふるさと、美杉に連れていってやりたい・・・しかし
    そうですあまりにも遠い・・・

    津市などではなく私にとっては未だに美杉村、村が最高の褒め言葉。
    まさに神去なあなあです。
    北畠神社は子どもの頃よく行きました。
    「北畠氏館跡庭園」というのができているのですね。
    美杉の友人達は高校生の頃、寄宿舎か下宿生活でしたね。
    なつかし~い!!

    1. 高校生の頃は美杉村はとんでもない秘境というイメージでした。八知におばあちゃんがいるという知人がいたのである程度聞かされていたのですが、ただぼんやりとしたイメージしかなくて一度は奥津、さらには太郎生まで行ってみたいという願望を抱いていたのが、今回積年の思いを果たすことができました。
      たしかに、太郎生出身だというI君などは寮生だったですね。父の仕事の都合で津を去らねばならなかったとき、私も一時寮生活を送りました。句友のK君ももちろん寮生。
      表紙の写真は北畠氏館跡庭園の新緑です。

  4. 追伸
    美杉から旧久居市へ行くには矢頭峠を抜けるのが近道ですが山岳道路で狭いです。
    でもそこは絶景です。
    抜けた最初の集落が我が実家です。
    夏のキャンプ場は賑わいます、是非どうぞ!!

    1. 地図で確認しました。ご実家へは北畠神社からそのまま北進し、名松線沿いへの道に左折せずに直進、県道43号線を走ればいいんですね。何処だったか忘れましたが県道683号線の途中でご実家への道路標識を見ました。同名の町があると聞きましたが、標識にあったのはどちらだったんでしょうね。

  5. そうです。43号一志美杉線を山越えです。
    峠を降りたところが我が集落。
    もう一つの町は166号線(参宮街道)ですがここもなか良さそうな所のようです。
    同名のよしみで一度訪ねてみたいですね。

    1. 一志町と飯高町の違いですね。
      「伊勢街道」。これも先日吟行した宇陀水分神社から一気通貫で延びる道。高見山を巡る峠、一度は走ってみたいところです。

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