おびただし実生の椎の若葉かな
多武峰の山中は植生が豊かである。
下った道はまるで腐葉土そのものと言ってもいいほどで、柔らかでフカフカであった。
そんな環境条件に恵まれたせいか、落ちた実があちこちに発芽して柔らかげな若葉の色を発している。これらの苗はこれから厳しい生存競争にさらされ、多くが場所取り競争に敗れて大木までには成長できないだろうが、どの苗も少なくとも数年は生き永らえるんじゃないかとさえ思える豊かな土壌である。
椎のほかにも新しい苗がいっぱい顔を出し、珍しいものがあると案内役のスタッフの方から適宜説明があるが、とても覚えていられないほどの種類の多さである。なかでも、「室生天南星(テンナンショウ)」「花筏」「葉蘭の花」「水引」などが強く印象に残った。
道を下るというのがいいですね。然もガイド付きで。登り道だと登るだけで必死でとても自然観察など余裕がなくなりますもんね。豊富な植物の中にあって諸々の動物たちも蠢いているのでしょうね。
山の中は涼しくて快適だったんですが、里へ降りてきた途端に舗装路などもあって暑かったり、足にも随分違うものを感じました。自然そのままの包容力と言うんでしょうか、その偉大な力には癒やされます。
ウオーキングの会の名前も「鎮守の森を観にいこうかい」ですからね。山や森。いいですね。