電気柵巡らす畦の草を刈る
もうこの時期から獣害を考えなければいけないのか。
田の周りには髑髏マークの「電柵注意」との標識が立っていて、人間はその中で電動草刈り機を振り回している。
何とも不思議というか、滑稽な光景である。歳時記にある季題「草刈」というのは、牛馬の餌や肥料のために畦などの雑草を鎌で刈ることを言うが、今では牛馬に変わり耕運機、田植機の時代である。刈った草など持ち帰る必要もなく放置されたままである。言うなれば死語に近い季題であるが、「夏草」「草茂る」などは時代変わらず生きている。
現代は半日もあれば田の数枚も刈ることができ、農作業はずいぶん楽になったのであるが。