国宝の多き一国梅雨湿り
国宝の一番多い都道府県はどこか。
まず頭に浮かぶのは京都か奈良かだが、意外に東京である。
これは美術館などが多く美術工芸品が大半を占める。
二位が京都で、建造物では寺院などが多くて全国一。
そして、三位が奈良で法隆寺始め建造物も多いが、やはり仏教彫刻が多いというのが特徴である。
建造物や仏像などは観光収入以外によほど基礎体力がないと維持管理が大変で、小さな寺院などでは仏像博物館などに預けたままという例も多い。
まして日本には高温多湿という宿命を背負った国なので保存には大変な苦労があることだろう。当然国や自治体の保護がないと維持するにも大変である。
その文化財によって成り立つような観光県にも新自由主義的な政党の首長が誕生し、さっそく民族博物館のコストパフォーマンスを言い出した。大阪で文楽がやり玉にあがったように、背筋の凍るような文化財政策が幅をきかすようでは果たして憲法の「健康で文化的な最低限度の生活を営む権利」さえ守られるのかどうか。
最近の政権党にも文化の薫りがする人材が見当たらなくなってきたようにもみえ、梅雨湿りでなくても心まで冷えてくる。