文化的生活

国宝の多き一国梅雨湿り

国宝の一番多い都道府県はどこか。

まず頭に浮かぶのは京都か奈良かだが、意外に東京である。
これは美術館などが多く美術工芸品が大半を占める。
二位が京都で、建造物では寺院などが多くて全国一。
そして、三位が奈良で法隆寺始め建造物も多いが、やはり仏教彫刻が多いというのが特徴である。
建造物や仏像などは観光収入以外によほど基礎体力がないと維持管理が大変で、小さな寺院などでは仏像博物館などに預けたままという例も多い。
まして日本には高温多湿という宿命を背負った国なので保存には大変な苦労があることだろう。当然国や自治体の保護がないと維持するにも大変である。
その文化財によって成り立つような観光県にも新自由主義的な政党の首長が誕生し、さっそく民族博物館のコストパフォーマンスを言い出した。大阪で文楽がやり玉にあがったように、背筋の凍るような文化財政策が幅をきかすようでは果たして憲法の「健康で文化的な最低限度の生活を営む権利」さえ守られるのかどうか。
最近の政権党にも文化の薫りがする人材が見当たらなくなってきたようにもみえ、梅雨湿りでなくても心まで冷えてくる。

“文化的生活” への4件の返信

  1. 国宝や重要文化財の維持管理が大変なのはよくわかる。
    しかし文化をおろそかにする国には将来が見えない。
    教育の重要性を感じる。

    1. なにもかも経済優先の時代に、この国の精神的な骨格を形成する基盤となるような過去遺産を軽んじるというのも頭を傾げるばかり。歴史修正主義がまかり通る、戦前の頭のままの政治勢力がこの国を誤った方向に導かないよう対抗勢力を育てたいものである。
      そんなようなことを会社の二次面接で陳述して即刻落ちたのは昔の話し。

  2. 国宝の多き一国梅雨湿り

    確かに奈良は30年ほど自民系知事2人が支配を続けていましたが、去年、維新の知事になるや、ほうぼうで”大改革”をやっているようですね。効率第一らしく、奈良町の音声館に勤めていた姪っこも、「音声館は商業主義になった」と嫌気をさして辞めました。奈良中心部は、五階建ての県庁より高い建造物は禁止でゆったりいい気分ですが、ひょっとしたら高層ホテルが林立するかも。奈良が「京都化」するのは見たくないですね。

    1. 改革と言う名で公が民に取って代わられるだけ。当然サービスの質は起こるわ、従業員も非正規化して賃金もばっさり。公の遺産、資産を切り売りしてますますジリ貧へ。
      前知事も観光という名目で奈良公園内の公をディベロッパーに売却したり、公が一握りの利権屋に売却される萌芽が出ています。さらに進むでしょうね。

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