嫌われ者

ねずみ返しものともせずに葛かづら

葛嵐といっていい天気。

これが秋ならいくぶん涼しいのだろうが、なにせ梅雨明け同然の天気が続くのでかえって暑苦しさがますばかり。
国道を走るとかしこに葛がはびこって、フェンスはもちろん、河原、空き地、いたるところに進出して、秋になる前にこれを刈るのもさぞ大変だろう。
古人は衣服の繊維に、食料に、薬草に、おおいに利用したのだが、現代では嫌われ者のひとつとなってしまった。
人口減による放棄地、空き地が増えるいっぽうで、葛はますます勢いをましいずれ人の手も及ばぬ葛が原が全国のあちこちに広がりそうだ。そうなるとあとは森林化に向けて一直線。五十年、百年先のこの国の風景はまったく異なったものになるにちがいない。

生命力

濠端に葛はいのぼる古墳かな

大きな濠が葛で埋まっている。

ということは、水が涸れ土砂に埋もれてしまって、生命力の強い葛が蔓延してしまったのである。
すでに調査も終わって長い時間が経過したのであろう。
このまま放置されれば、まだいくぶんか残っている湿地部分もやがて葛の支配するところとなるのも近いか。
濠の周囲は散歩道となっているので、やがて舗道にまで蔓が這い上ってくるだろうし、なかなか厄介な植物だ。

米野球

イチローの苦悩からめり葛の蔓

イチローもやはり人の子だったか。
連続200本ヒットの記録は少なくとも40歳になるまでは楽々達成するものと思っていたが、何が原因か今年は途切れそうである。
苦しんでいるのはもちろん本人だろうが、我々もため息をつきながら見守っている。
もしも、記録が途絶えてもこれまでの苦行に拍手を送りたい。