ねずみ返しものともせずに葛かづら
葛嵐といっていい天気。
これが秋ならいくぶん涼しいのだろうが、なにせ梅雨明け同然の天気が続くのでかえって暑苦しさがますばかり。
国道を走るとかしこに葛がはびこって、フェンスはもちろん、河原、空き地、いたるところに進出して、秋になる前にこれを刈るのもさぞ大変だろう。
古人は衣服の繊維に、食料に、薬草に、おおいに利用したのだが、現代では嫌われ者のひとつとなってしまった。
人口減による放棄地、空き地が増えるいっぽうで、葛はますます勢いをましいずれ人の手も及ばぬ葛が原が全国のあちこちに広がりそうだ。そうなるとあとは森林化に向けて一直線。五十年、百年先のこの国の風景はまったく異なったものになるにちがいない。