肥袋やぶりかわづの出でにけり
ほころんでいる腐葉土の袋に触れた。
触れる間もなくいきなり雨蛙が袋から飛びだしてきたという方が正しいかもしれない。
どうやら袋の破れているところから入り込んで越冬を決め込んでいたようである。
堆肥のたぐいはわずかながらも発酵が続いているようで、意外に温いのではあるまいか。
これ幸いとカエル君の寝床になっていたわけだが、春となって堆肥の出番ともなるともう住処にはならないのは気の毒なことをした。
庭のどこかで鳴いているカエル君は今年も健在だ。伴侶はいるのかいないのか、それは知らないがいつまでも居てくれていいんだぜ。