形の妙

がくばなの粒の星屑散らしたる
がくばなの粒寄りあうて小銀河

紫陽花の別名をテマリバナとも言われるように、いわゆる丸い紫陽花は花が退化して花序ばかりになったものを言う。

紫陽花曼荼羅

もとは、地味で目立たない花の粒々が集まっていて、周りを額のように花序が取り囲むので額紫陽花と呼ばれているものだ。日本各地の山などには自然に生えているものだけでもかなりの種類があるが、シーボルトがこの一つを持ち帰り西欧で大変人気になったと聞く。
今では里帰りした花などつぎつぎと新種が生まれ、大変豪華な鉢が店先に並んでいる。

形をみれば大きな手まりのような豪華な紫陽花に軍配があがるだろうが、どちらが好きかと聞かれたらやはり形の変化に妙のある額紫陽花と答えたい。小さな星が集まり、それを花序の惑星が囲んでいるようにも見えてちょっとした小宇宙、小銀河を思わせる。