買うもの

しやぼん玉割れて見開く幼かな
彗星の尾を引くごとししやぼん玉

昨日の句会の兼題である。

いまどきのしゃぼん玉セットはストローで吹かずとも、風さえあれば彗星のように尾を引いていくつもの玉が生まれてくる。あるいは、大きく孤を描くようにストロー様のものを振り回すだけ、いとも簡単に飛ばせることができる。なので、いまや幼児にしゃぼん玉の吹き方を教える楽しみもなくなってしまった。
昔は洗濯石鹸などを溶いて、風船液を自分で作ったものだったが、、その練り具合がけっこう難しかった。濃くし過ぎるとストローの先に液がたれるばかりでいっかな玉にならないし、なったとしても重くて飛ばすことはできずストローから滑り落ちてしまうという具合である。また、薄ければ薄いで吹いている途中で割れるなどしていっこうに玉にならないのである。このように液の調整からして難易度が高いというわけである。
さらに、今度は吹き加減である。そのうえ幼児にとってはストローは吸うものとなっているので、息を吹きかけることから教えることが付け加えられる
だが、初めてしゃぼん玉を見る小さな子の表情を眺めるのは楽しいものである。
手でつかもうとしたり、割れたらびっくりしたような顔を見せたり、けたけた笑いころげたりとか。
今はしゃぼん玉はクワガタやカブトムシと同様に買うものとなりはてて、逆にとらえたり作ったりする楽しみがなくなったのは寂しいものである。