土壌

トラクターの爪の近づくはこべかな

春耕というのだろうか。

水田にトラクターが入って耕し始めた。
よく見ると、田の石垣には牛ハコベが群生していて今にも花開こうとしている。まさに、
はこべらの石を包みて盛り上がる  虚子
この句の通りの状況だ。
ハコベの生える土壌というのは耕作に最高の状態の土であると言われ、このように石垣に埋まった土さえも豊かというのは田そのものも豊穣の土と言うことかもしれない。
しばらく雨が降ってないので、田も乾燥していてトラクターの巻き上げる土煙が風に乗って飛んでくる。
ただでさえ、花粉アレルギー、猫アレルギー気味なので早々と退散となった。

老い先

はこべらの萌えて多産の土ならむ

はこべやイヌフグリなどが生える土壌は畑に適しているという。

スギナなどが群れるのは逆に荒れ地の証拠で、植生の変化が進んで多様な植物が育つようになるとどんな野菜でも作れるようになるとか。
庭の隅に雑草などを積んでいた辺りは、発酵・腐食がすすんで土の色が真っ黒に理想的な土の色になっている。と同時に引っ越してきた当初スギナが暴れまくっていたのが、今では姿を消しかけていていろんな種類の雑草が生えるようになってきた。
芝生の庭も雑多な草におかされ管理が大変なので、いっそのこと思い切って菜園に変更しようと新しく畝をきってみた。元が芝生だから決して豊かな土ではなく、何年かかけて畑らしくなるよう培養しなければならない。老い先のことはおいといて、老いの楽しみを土に求めようと言うわけである。