ペアとシングルと

はたおりの負ひて虫除網の中

防虫ネットも完璧とはいかないようだ。

昨日間引きの際にネットを巻き上げたその隙を狙って侵入したらしい。
おんぶしたままのペアとシングルのやつと。
むきになることもないが、それでもやはり芽生えたばかりの春菊を食われても困るので何とか退散願った。

子守歌

はたおりのおんぶの唄のなかりけり
はたおりのおんぶされる子見ている子

「はたはた」、「きちきち」、どれも「ばった」を言う。

この時期、庭に薄緑色したバッタがさかんにヒョイヒョイ顔を見せる。多くは小さくて雄のようである。
大根の双葉が開いたので、そろそろ虫除けネットをと用意していると、何匹かがネットに飛び込んできた。そのうちの一匹は雌のようで体長1センチほど、数時間たって戻ってみると、ネットに3センチほどの雌のおんぶバッタがしがみついている。おかしかったのは、その周りを何匹かの雄が取り囲んでいて、あたかもおんぶの順番を待っている子供のように見えたことだ。
はたして、おんぶばったはおんぶしたままキチキチと跳ぶかどうかはよく知らない。