授かりもの

鰰の伯耆生まれで肌白で

秋田のものだとばかり思っていた。

米子のK君からのいただきものに他の魚に混じって「はたはた」が入っていた。
それも立派な大きさで肌につやがあり何より魚体が美しい。地元の海で獲れたと言うことである。
しょっつる鍋の具として知られているが、さてどうするか悩んだが試しに水炊きの具として鍋に放り込んでみた。
するとどうだ、一緒に入れた銀ダラに決してひけをとらない美味さ。おまけに染みだしたらしく出汁がきいて鍋自体が一段上の味わいとなった。
身がほぐれやすく、その気になれば骨だって食べられる。鍋以外には酢のものもいただいたことがあるが、こちらは意外にしっかりした歯ごたえだった。いろいろな食べ方や用途があるのも、さかな偏に神を当てる文字からも天からの授かりものということが分かる。
鰰はまた「鱩」とも書く。冬、雷になる頃に上がるからだという。北陸で言う雪起こしの雷である。ますます縁起のいい魚なのである。

カップル

はたはたの茶が青をぶる草葉かな

ここのところ毎朝見かける。

いわゆる「おんぶばった」で、おんぶしているというよりは茶色の雌に緑色のオスがしがみついてるのが水栓のそばに動かずにいるのだ。
たぶん同じカップルらしいとみるが、なぜ動かずにいるのか、声を掛けてみるが答はかえってこない。
いつまでいるつもりなのか、明日の朝の楽しみである。