下野の花

下野草やまとの古墳に咲きにけり

花しょうぶが満開だという馬見丘陵を訪ねた。

馬見丘陵公園の下野草

古墳群のある丘陵地帯を県が整備して立派な公園になっており、四季折々の花が咲くことで訪れるファンは多い。
下野の花は花しょうぶをめでたあと公園内を散策しているときに目に止まったものだ。万葉集に歌はないかと探したが、さすがに国の名を花の名とした歌は見つからなかった。そのかわりに、東歌で下野の国を歌った歌:

下野の三毳(みかも)の山の小楢のす まぐはし児ろは誰が笥(け)か持たむ 作者不詳 巻14-3424

歌の意は「下野の三毳山のコナラの木のようにかわいらしい娘は、だれのお椀を持つのかな(だれと結婚するのかな)」。
なんとも素朴な歌ですね。