下野の花

下野草やまとの古墳に咲きにけり

花しょうぶが満開だという馬見丘陵を訪ねた。

馬見丘陵公園の下野草

古墳群のある丘陵地帯を県が整備して立派な公園になっており、四季折々の花が咲くことで訪れるファンは多い。
下野の花は花しょうぶをめでたあと公園内を散策しているときに目に止まったものだ。万葉集に歌はないかと探したが、さすがに国の名を花の名とした歌は見つからなかった。そのかわりに、東歌で下野の国を歌った歌:

下野の三毳(みかも)の山の小楢のす まぐはし児ろは誰が笥(け)か持たむ 作者不詳 巻14-3424

歌の意は「下野の三毳山のコナラの木のようにかわいらしい娘は、だれのお椀を持つのかな(だれと結婚するのかな)」。
なんとも素朴な歌ですね。

“下野の花” への4件の返信

  1. 下野の花、自然のままな感じがいいですね。
     万葉のこの歌も素朴そのもので、おおらかさが伝わってきます。
     万葉集、記紀歌謡の時代は、日本古来の土着の歌(口承歌?)がまだ多かったのでしょうか?まして東の地では都と異なった風俗もあったでしょうね。
     この時代を学ぶことは日本文化の原点を学ぶことになる感じがします。
     次に取り組むのは万葉集と決めています。(すこし先のことになりますが・・)

    1. この時代の歌には民謡のように歌い継がれたものも多いんでしょうね。それらの一つ一つを拾い集めて万葉集などに集約されたものもずいぶんあるんだと思います。技巧の飾りがない、かといって誇張はされてるんでしょうが、素朴な歌はかえって人間くささを感じるものです。まさに日本人の原点をみるような思いをします。
      源氏のあとは万葉集ですか、がんばってください。

  2. 写真いいですね。これを下野の花と言うんですか。こちらは下総ですが多分色んなところで見かけてるんでしょうね。目には入っていませんが。歴史を持ったところの公園は格が違いますね。

    素朴な万葉集、いいと思います。いつかやりたいのですが未だコテコテの古今集風の世界から抜け出せません。

    1. 名札のおかげで花の名を知ることができます。ふだんはほとんど見落としてますからね。こういう公園はありがたいです。

      素朴とコテコテ、大衆と貴族、時代によって変わるもんですね。

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