浚渫

五月雨やユンボ動かぬ河川敷

あっという間に水位があがる。

盆地にふる雨をすべて集めて大和川はふくれる一方である。
近年は下水道の普及やら護岸工事で河川がコンクリートと化したこともあって、雨は直ちに川に流れ込む。
大和盆地は何度も水害に遭っている。大阪との府県境に極端にせまい隘路があり、そこが地滑りの名所でもあるためたびたび川をせきとめてしまうのである。近年は対策工事が完了して地滑りの不安は消えたのであるが、盆地内各所でバックウオーター現象がたびたび発生し床下浸水、床上浸水の被害がでている。
なにしろ大和川は何十もの支流が流れ込むわけで、その数だけバックウオーター現象の危険があるというわけである。我が町も三四年前に低い土地で被害にあった家屋がある。河川の浚渫を行う緊急工事もようやく終わり近隣家屋は胸をなで下ろしているだろうが、さらに豪雨がくるようだと安心はできない。

大和路線

地祝の幕に五月雨降りやまず

明日の地鎮祭に向けて準備が整ったようだ。

かなりの雨に敷地のあちこちに水たまりができてなかなかひかない。
明日は先勝だから午前中を予定しているのだろう。残念ながら明日も夜になるまでは雨の予想で、大和路線がまた止まるような雨になるという。

貧相な橋

五月雨や赤灯まはる沈下橋

大和川は一級河川。

だから、小さな沈下橋だって国土省の管轄なのだ。
上流は斑鳩インター、下流は国道25号線の間、4キロほどには橋がなく、地元の人くらいしか利用しない、車一台がやっと通れる幅しかない。ちょっと増水したと言っては役人がやってきて通行禁止の遮断機をおろし、引いたらまた開きに来る。
おそらく、どこかにモニターでもあって水位を監視しているのであろうが、ご苦労なことである。
「こころ旅」であの高所恐怖症の正平だって平気で渡った橋だから、ほんとに小さな貧相な橋だが、支流が入り組んだ大合流地点付近では暮らしに欠かせないのである。