冬の命

墳丘に伸びるともなく冬の草
冬の草伸びるともなく生いにけり

下萌かと思ったが、冬の草であった。

引き飛ばされないで地面に踏ん張っている枯れ草の間から、しっかり顔を出している。おそらくそこからさらに背を伸ばすのではなく、そのままの姿で冬を越すのであろう。
寒のど真ん中にいても、万物枯れているのではない。冬には冬の命があるのだ。